有髯
ゆうぜん
名詞
標準
文例 · 用例
店頭に今度は婦人、この会場に入るものは、位ある有髯男子も脱帽して恭敬の意を表せざるべからざるに、渠は何者、肩掛を被ぎ、頭巾目深に面を包みて、顔容は見えざれども、目は冷かに人を射て、見る者を慄然とせしむ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
昔時、向象賢や蔡温を悩ましたところの沖縄婦人は、他日、女子問題をひっさげて有髯男子をして顔色なからしむるような活動をやるかもしれませぬ。
— 伊波普猷 『ユタの歴史的研究』 青空文庫
メニューインには充分少年の若さがあり、その風格と気魄において、有髯男子に一歩も譲るものではないが、芸術的完成においては、なお充分の若さを残し、将来の巨大な進歩を暗示していることは言うまでもない。
— 野村長一 『名曲決定盤』 青空文庫
ロンのパリ音楽院の教授としての声名もすばらしいが、その演奏家としての腕前も、有髯男子を瞠若たらしめるものがある。
— 野村長一 『名曲決定盤』 青空文庫
二人の婦人は、彼が有髯のかんかん虫であったと気づくと、きたない物のそばを離れるように飛び退いた。
— 吉川英治 『かんかん虫は唄う』 青空文庫