自知
じち
名詞
標準
self-knowledge
文例 · 用例
△豆腐の味は水のそれとおなじ、冷暖自知、いひがたし。
— 伊佐行乞 『行乞記』 青空文庫
酒の酔心地、これこそ冷暖自知の境。
— 伊佐行乞 『行乞記』 青空文庫
精神は自ら存するものなり、精神は自ら知るものなり、精神は自ら動くものなり、然れども精神の自存、自知、自動は、人間の内にのみ限るべきにあらず、之と相照応するものは他界にあり、他界の精神は人間の精神を動かすことを得べし、然れども此は人間の精神の覚醒の度に応ずるものなるべし。
— 北村透谷 『明治文学管見』 青空文庫
或は自知の明のあるお多福が、僕を見て、あれで我慢をするというようなことは無いにも限るまい。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
即ち生ずるのみならず、生じたことを自知しているのである。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
パスカルも、「人は葦の如き弱き者である、しかし人は考える葦である、全世界が彼を滅さんとするも彼は彼が死することを、自知するが故に殺す者より尚し」といっている。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
しょせん、さとりの世界のみではなく、一切はたしかに「冷※自知」です。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
※五十知命、いひかへれば冷暖自知ではあるまいか。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫