髪結床
かみゆいどこ
名詞
標準
文例 · 用例
「髪結床」から来たかと思われる。
— 寺田寅彦 『言葉の不思議』 青空文庫
噂はそれからそれへと伝えられて、津の国屋には死霊の祟りがあるということが、単に湯屋|髪結床の噂話ばかりでなく、堅気の商人の店先でもまじめにささやかれるようになって来た。
— 津の国屋 『半七捕物帳』 青空文庫
髪結床の下職なんぞするもんじゃアありませんね、せめて字でも読めりゃ何とか言って近づくんですが、一の字は引張って、十文字は組違え、打交えは鷹の羽だと、呑込んでいるんじゃあ為方がありません、私あもう詰らねえ。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
発句は芭蕉か髪結床の親方のやるもんだ。
— 夏目金之助 『坊っちやん』 青空文庫
先生は大変困つてゐると、正門前の喜多床と云ふ髪結床の職人が大勢|出て来て、面白がつて笑つてゐたさうである。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
今日ね、久しぶりに髪結床へ行って、頭を刈って来ました」と右の手で黒いところを撫で廻す。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
「いいえ、別に好きという程でもなく、いわゆる髪結床将棋のお仲間ですがね」と、半七老人は笑った。
— 薄雲の碁盤 『半七捕物帳』 青空文庫
親分は留守だと云ったら、それじゃあ髪結床へ行ってこようと出て行きましたから、又引っ返して来るでしょうよ」 噂をしているところへ、民次郎という二十四五の子分が剃り立ての額をひからせて帰って来た。
— 槍突き 『半七捕物帳』 青空文庫