葉守
はもり
名詞
標準
文例 · 用例
その山は確に葉守の神もいそしみ護る豊饒な山に違いない。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
枝が交じり合って信頼をしきっているようなのがいい」 などと言い、さらに簾のほうへ寄って、「ことならばならしの枝にならさなん葉守の神の許しありきと まだ御簾の隔てをお除きくださらないのが遺憾です」 と言った。
— 柏木 『源氏物語』 青空文庫
「柏木に葉守の神は坐すとも人|馴らすべき宿の梢か 突然にそうしたお恨みをお言いかけになりますことで御好意が疑われます」 と伝えられたお言葉に道理があると思って大将は微笑した。
— 柏木 『源氏物語』 青空文庫
葉分の光はだらに、白き菱の花さして、樹暗もあからむ眞夏日なか、水馬うかべる水隱れ、藻伏小鮒とらへ來て、朱脛やすらふ柳瑞枝、したり顏の若音には、葉守の神さへ醉に入らむ。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
二かつては、瑞の彌木榮に、葉守の神も夢みしを、木陰路よ、今は『追懷』の落葉のみこそ伏し沈め。
— 薄田淳介 『白羊宮』 青空文庫
花は折りたし、蝮の葉守のまみは見憂いし、淺野に百合は咲くまいに、何を樣にはまゐらさう。
— 薄田淳介 『白羊宮』 青空文庫
「落葉|焚いて葉守りの神を見し夜かな」。
— 芥川龍之介 『わが俳諧修業』 青空文庫
負けるもンか女なんぞに」 長井戸の森は何里ぐらい続いていたか、自分はよく覚えておらぬが、随分大きな森であッた,さて森の中の小径をおよそ二三町もはいッて往くと、葉守の神だか山の神だかえたいの分らぬ小さな神の祠の前へ出た、これが森の入口なので。
— 矢崎嵯峨の舎 『初恋』 青空文庫