針売り
はりうり
名詞
標準
文例 · 用例
――そのむかし、わしがまだ十八歳の頃、針売りなどして諸国をさまよい歩いていた艱苦の頃だ。
— 太閤夫人 『日本名婦伝』 青空文庫
零細な針売りの利益で口は喰べても、針の穴から世の中を見るような、小さい人間にはならなかった。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
日吉は、この夏、着て歩いていた、針売りの行商着をそのまま着て、少しばかりの荷を背中に負い、油屋の七内とは、道中の道づれという態で、美濃路へ向った。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
遊んでいては、人に疑われるから、用が出来るまで、毎日、針売りに出て歩いていろ」 といって、わずかばかりの銭をくれた。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
日吉はそこから、毎日、針売りに出て、帰りには塩物と米を買って帰って来た。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
――だが、猿まで来ているとは思わなかった」「わたしは、七内様について、七日ほど前にやって来ましたが、用が出来るまで、針売りをして歩いていろというので、こうやって針売りをしていますが、一体全体、これは何のためにやっているんですか」「まだ聞いていないのか」「七内様は、何も話してくれないので。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
弓の直し屋をして歩くにも、針売りをして歩くにも、よくよく気をつけて、言葉の端にも、気どられぬことだぞ」「知れたらすぐ捕まりますか」「あたりまえだ。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
「――針売りッ」 ふいに、何処かで呼ばれたので、日吉はうろたえ、口の中の物を、川へ吐き捨てるいとまもなく、掌へ吐いて握った。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫