幻辞.com

名詞
1
標準
文例 · 用例
一隻は翅を近き巖の頂に斂めて、晴れたる空の日を凝すること、其光のあらん限を吸ひ取らんと欲する如くなりき。
IMPROVISATOREN 即興詩人 青空文庫
舞台上より望ときは小倉内裏より長府の洋面に至まで一の中にあり。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
獄中に居る者の面じや」 別人と見るまでに彼の浅ましく瘁れたる面をりて、譲介は涙の落つるを覚えず。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
貫一はその胸の夢むる間に現ともなく彼をれり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
一番列車を取らんと上野に向ふ俥の上なる貫一は、この暁の眺に撲れて、覚えず悚然たる者ありき。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
ねえ、狭山さん、些と」 お静の顔を打りつつ、男は茫然たるのみなり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
」「まあ、さうなのですね」 彼は故に※れる眼を凝して、貫一の酔ひて赤く、笑ひて綻べる面の上に、或者を索むらんやうに打れり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
未来の細君をもって目された本人へ文をつけた恋の仇とは夢にも知らず、「やあ」と云って武右衛門君に軽く会釈をして椽側へ近い所へ座をしめた。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫