閊
閊
名詞
標準
文例 · 用例
立ったら頭の閊える箱の中に数人の客をのせたのを二、三人の人間が後押しして曲折の多い山坂を登る。
— 寺田寅彦 『箱根熱海バス紀行』 青空文庫
しかし、そこへ来て、やっぱり閊えてしまうのは蝶子さん、あんたである。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
あんたは突出た河瀬の杭のように自分に閊える。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
そしてこの村から川上の方を望めば、いずれ川上の方の事だから高いには相違ないが、恐ろしい高い山々が、余り高くって天に閊えそうだからわざと首を縮めているというような恰好をして、がん張っている状態は、あっちの邦土は誰にも見せないと、意地悪く通せん坊をしているようにも見える位だ。
— 幸田露伴 『雁坂越』 青空文庫
」「…………」「ほら、ほら、閊えてしまって云えないじゃあないか。
— 幸田露伴 『雁坂越』 青空文庫
問い合せて下すっても、差し閊えありません。
— 渡辺温 『遺書に就て』 青空文庫
今や、我がマキアベリイ映画にあらゆる興業政策を無視しても差し閊えないのです。
— 渡辺温 『十年後の映画界』 青空文庫
一体こんな残酷な運命の悪戯を、果してわれわれはそのまま許容してしまっても差閊えないものであろうかと、私は嘆き、悲しみ、憤りました。
— 渡辺温 『恋』 青空文庫