敬々
敬々
名詞
標準
文例 · 用例
「やあ、失敬々々、すつかりおくれつちまつて。
— 島木健作 『一過程』 青空文庫
全く東風君独特の伎倆で敬々服々の至りだ」としきりに正直な人をまぜ返して喜んでいる。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
「しかし……」 と私は彼女の肩に敬々しく手をかけながらカラス面の下で唸つた。
— 牧野信一 『ゾイラス』 青空文庫
」 うしろからついて來たのが、あわてゝ注意すると、「あゝさうか、失敬々々。
— 水上滝太郎 『大阪の宿』 青空文庫
「やあ、失敬々々、ムッシュウ・じゅあん」 かれは意外にもてれくさそうな、すまないといった顔つきでいうのだ「――人ちがいでしたよ。
— 西尾正 『放浪作家の冒険』 青空文庫
『オット又忘れてほめた、失敬々々』と父は笑ひますが、又何かにつけては『よく我々の間にこんな子が生れたものだね、鳶が鷹とは全く此事だね』等と申して叱られました。
— 土井八枝 『隨筆 藪柑子』 青空文庫
恋をしても、これだけ、恋に奉仕しても、これだけ、いつも、これで、全部です」 私はヤス子の手をとり、バカみたいに敬々しく、くちづけした。
— ――ゴロー三船とマゴコロの手記―― 『ジロリの女』 青空文庫
何百人の人々が一夜に家を失ったときも、明治神宮の拝殿だけは一週間ぐらいで再建する、国民共は米も魚も拝んだことがないのに、農村から敬々しく献上米が殺到する、これ皆々今日璽光様の身辺に行われていることゝ変りはない。
— 坂口安吾 『邪教問答』 青空文庫