騒
さわぎ
名詞
標準
文例 · 用例
場長が同僚と話をしているのに、声が低くてよく聞きとれないと、胸騒ぎがする。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
そうしてつとめて、自分が苦労してる問題に離れた話に興を求め、ことさらにたわいもないことを騒いで、一|晩ざる碁をたのしんだ。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
祖母は寒いからもう少し寝ていよという、姉も次なも仲なも乳房にとッついているのも、起きるだという、起ようという起してという、大騒ぎになッてきた、婆や、早く着物をあぶってという、まだ火が起りませんから、と少しまってという、早く早くと四人の児供らはかわりがわり呼立てる。
— 伊藤左千夫 『浅草詣』 青空文庫
手水つかうというが一騒、御膳たべるというが一混難、ようやく八時過ぐる頃に全く朝の事が済んだのである。
— 伊藤左千夫 『浅草詣』 青空文庫
まず第一に長女の髪をゆう、何がよかろうという事、髪はできぬという、祖母に相談する、何とかいう事に極って出来あがった、それから次なはお下げにゆう、仲なは何、末なは何にて各注文がある、これもまた一騒ぎである、予は奥に新聞を視ている、仲なと末なが、かわるがわる、ひききりなしにやってくる。
— 伊藤左千夫 『浅草詣』 青空文庫
定めて児供等が大騒をやって、待かねているだろうと思って、家にはいると意外静かである、日のさし込でる窓の下に祖母が仲なを抱いていた、三人の児等はあんかによってしょげた風をしている、予が帰ったのを見て三人口を揃て、たアちゃんおなかが痛いて。
— 伊藤左千夫 『浅草詣』 青空文庫
風の音|許り外に騒々しくて、家の内には元気よく騒ぐものもない。
— 伊藤左千夫 『大雨の前日』 青空文庫
平生は鉄工所でどんがんする鎚の音、紡績会社の器械のうなり、汽笛の響、有らゆる諸工場の雑多な物鳴り等、大都会の騒々しさも、今日は一切に耳に入らない。
— 伊藤左千夫 『大雨の前日』 青空文庫