属望
しょくぼう
名詞
標準
文例 · 用例
何はあれ梵天丸で育ち、梵天丸で育てられ、片倉小十郎の如き傑物に属望されて人となった政宗は立派な一大怪物だ。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
その一年に注目すべき作品を生んだ作家たち、明日に属望される新人も、作品に即してあげられた。
— 宮本百合子 『五〇年代の文学とそこにある問題』 青空文庫
父親は、ケムブリッジ大学を卒業し、ひとから未来を属望され、自分も大いに活動する気でいたところが、彼の盲滅法な性質から、深い考えもなく或る私塾を開いている牧師の娘と恋に落ち、結婚したまま有耶無耶に六年間舅の助手で過してしまいました。
— 宮本百合子 『「母の膝の上に」(紹介並短評)』 青空文庫
最も与し易しと為したる貴族院研究会すら、宣言及綱領には賛成なれども研究会の会則は会員をして他の団体に加はるを禁ぜりとの口実に依りて入会を拒絶し、初めより伊藤侯の属望したる実業家の如きも、東京大阪に於ける高級分子は、亦皆入会を避けて其の薬籠中の物とならず。
— 鳥谷部春汀 『明治人物月旦(抄)』 青空文庫
ところが清正は、他の家士のふりあいもあるので、表向き五百石、内分千五百石、客分として迎えましょうと、要求以上の好遇をもって答えて来たので、「それほどまで、孫の器量を御属望くださるなら」 と、一切を長政に託して肥後へ遣った。
— 柳生石舟斎 『剣の四君子』 青空文庫
これに反して光照院の江間、長島兩家の墓所は、わたくしに新に何物をか教へてくれさうに思はれたので、わたくしは大いにこれに屬望した。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫
然れども渠をして小成に安んぜしむるは吾人の本意にあらず、修養蘊蓄徐ろに後來の大成を期せんこと屬望に堪へず。
— 八面樓(宮崎湖処子) 『泉鏡花作『外科室』』 青空文庫
最も與し易しと爲したる貴族院研究會すら、宣言及綱領には贊成なれども研究會の會則は會員をして他の團體に加はるを禁ぜりとの口實に依りて入會を拒絶し、初めより伊藤侯の屬望したる實業家の如きも、東京大阪に於ける高級分子は、亦皆入會を避けて其の藥籠中の物とならず。
— 鳥谷部春汀 『明治人物月旦(抄)』 青空文庫