難境
なんきょう
名詞
標準
文例 · 用例
」と、あたかも死を賭にしたこの難境は、将来のその楽のために造られた階梯であるように考えるらしく、絶望した窮厄の中に縷々として一脈の霊光を認めたごとく、嬉しげに且つ快げにいって莞爾とした。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
何うしてこんな難境に手をつけたかと思つた。
— 田山録弥 『心理の縦断』 青空文庫
この難境を突破して、始めて箇々の対立といふことを痛感するのであるが、この対立から、完全に他の認め得たことから、または他の中に自己を見、自己の中に他を見るといふことから、次第に箇々の融合といふ境を庶幾することが出来た。
— 田山録弥 『心理の縦断と横断』 青空文庫
これを見ても、客観化、自他融合といふことの如何に芸術の至難境にあるかを私は思はずには居られない。
— 田山録弥 『自他の融合』 青空文庫
しかし、これは矢張、前に言つた至難境であるから止むを得ないことだ。
— 田山録弥 『自他の融合』 青空文庫
三 では芸術の至難境は何処にあるかと言ふと、矢張この生滅の不可思議の心理を表現する所にある。
— 田山録弥 『生滅の心理』 青空文庫
この気力こそ難境を擦りぬける数字のごときものであろう。
— 横光利一 『北京と巴里(覚書)』 青空文庫
ですから、私には、大概の人が、その希望も、その個人的難境も、一眼で判断出来るのです。
— 長靴の春 『踊る地平線』 青空文庫