幻辞.com

煢々

煢々
名詞
1
標準
文例 · 用例
他年|煢々孤立、五洲の内を環顧するに一の同種の国なく一の唇歯輔車相倚り相扶くる者なく、徒らに目前区々の小利を貪りて千年不滅の醜名を流さば、豈大東男児無前の羞に非ずや。
中島敦 斗南先生 青空文庫
二人は煢々として無人の境を行く。
夏目漱石 二百十日 青空文庫
何が何だか分らなくなった」 以上は主人が当夜|煢々たる孤灯の下で沈思熟慮した時の心的作用をありのままに描き出したものである。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
幾十時間に渉る汽車中、幾十日にわたる船中、滞留幾週間にわたる旅舎に於て、煢々孤独で唯友とするは書巻の外に無いから、通常躁急に卒読して何も感じないものを、此場合に於て大いに得る所がある、終生忘れ難い深い印象も此時に得るのである。
市島春城 読書八境 青空文庫