麦藁
むぎわら
名詞
標準
文例 · 用例
僕はズボン下に足袋裸足麦藁帽という出で立ち、民子は手指を佩いて股引も佩いてゆけと母が云うと、手指ばかり佩いて股引佩くのにぐずぐずしている。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
朝炊きに麦藁を焚いてパチパチ音がする。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
麦藁のべりべりと裂ける音が、不思議に悲しく胸に迫つた。
— 萩原朔太郎 『夏帽子』 青空文庫
麓では、二人の漁夫が、横に寝た大魚をそのまま棄てて、一人は麦藁帽を取忘れ、一人の向顱巻が南瓜かぶりとなって、棒ばかり、影もぼんやりして、畝に暗く沈んだのである。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
……麦藁に巻いた切だったろうか、それともリボンかしら。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
それにしては麦藁帽子……もっともおさげに結ってれば……だけど、そこまでは気が付かない。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
……羽織は、まだしも、世の中一般に、頭に被るものと極った麦藁の、安値なのではあるが夏帽子を、居かわり立直る客が蹴散らし、踏挫ぎそうにする…… また幕間で、人の起居は忙しくなるし、あいにく通筋の板敷に席を取ったのだから堪らない。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
麦藁細工が化けたようで、黄色の声で長せた事、ものを云う笛を吹くか、と希有に聞える。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫