夏霞
なつがすみ
名詞
標準
summer haze
文例 · 用例
果樹園や畑の見えるだらだら下りの裾野平の果に、小唄で名高いY――山の山裾が見え、夏霞がうっすり籠めている中に浪がきらりきらり光った。
— 岡本かの子 『みちのく』 青空文庫
夏霞棚引きかけ、眼を細めてでもいるような和み方の東山三十六峯。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
遠くなるだけ夏霞が濃くかゝつてゐた。
— 島三題 『樹木とその葉』 青空文庫
渺茫たる海洋は夏霞が淡く棚曳いたといふ程ではないがいくらかどんよりとして唯一抹である。
— 長塚節 『炭燒のむすめ』 青空文庫
―― むし暑く夏霞のたなびいた空が、息をひそめたように、家々の上をおおいかぶさった、七月のある日ざかりである。
— 芥川龍之介 『偸盗』 青空文庫
この松の枝が、むらむらと、互に鬩ぎ合った上には、夏霞に煙っている、陰鬱な山々の頂があった。
— 芥川龍之介 『素戔嗚尊』 青空文庫
夏霞の底に動かぬ島山の木立の色の様に、静かに沈んで、凝つて行つた。
— 熊本利平氏に寄す 『雪の島』 青空文庫
春は春霞に、夏は夏霞に面を掩うて、晴れやかに里の人々に国境の寂しさを物語ることは少ないが、九月から十月にかけての秋晴れの日には丸裸となった嶺の容が眼に近い。
— 佐藤垢石 『わが童心』 青空文庫
作例 · 標準
夏霞がかかった空は、どこかぼんやりとしていて幻想的だ。
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遠くの山々が夏霞に霞んで見えにくくなっていた。
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夏霞のせいで、夕焼けの色がいつもより淡かった。
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