郷長
ごうちょう
名詞
標準
文例 · 用例
と云うのはせっかくに白河戸郷の、郷長の娘の小枝という乙女を、奪って小脇に抱えている。
— 国枝史郎 『生死卍巴』 青空文庫
……で備前屋に火災ありと聞かば、そなたたちにおいては萩丸殿を連れ、直ちに宿を出裏道づたいに、西南へ三里走られて、青塚と申す郷へいで、そこの郷長佐原嘉門、この仁の屋敷へおいでくだされ。
— 国枝史郎 『猫の蚤とり武士』 青空文庫
郷長嘉門は六十歳ほどで、土着の武士であるだけに、容貌|魁偉風采堂々、まことに立派なものであったが、伊賀袴を穿き陣羽織を着し、自分の屋敷の母屋の縁に、寛々と腰をかけていた。
— 国枝史郎 『猫の蚤とり武士』 青空文庫
……貴殿が、佐原嘉門殿が、青塚の郷の郷長の貴殿が、幕府に嫌厭あろうとは?
— 国枝史郎 『猫の蚤とり武士』 青空文庫
こゝは木曾、長良両大河の間にはさまれた水郷長島である。
— 高濱虚子 『古江』 青空文庫
是だけは恐らくそれぞれの社に属する神田から刈り上げて、必ずその祭の用に宛てるだけでなく、いわゆる相嘗の貴とい役に奉仕する神主たちも、元は必ずその田を管理した戸主、郷長または人このかみと呼ばれるような、一定の農民の中から出ていたものと思う。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫