夏座敷
なつざしき
名詞
標準
room arranged for the summer (by removing screens and doors to improve air flow)
文例 · 用例
小初は一しきり料理を喰べ終ると、いかにも東京の料理屋らしい洗煉された夏座敷をじろじろ見廻しながら、「あなた、道楽なさったの」と何の聯想からかいきなり貝原に訊いた。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
道中にも旅店にも、我儘ばかり申して、今更お恥しう存じます、しかし俥、駕籠……また夏座敷だと申すのに、火鉢に火をかんかん……で、鉄瓶の湯を噴立たせるなど、私としましては、心ならずも止むことを得ませんので、決して我意を募らせた不届な次第ではありません。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
埃だらけの足を、下駄へ引擦ったなり、中二階のような夏座敷へ。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
こちらでは夏座敷に住んで、夏の支度をして、寒がっているようなものですね。
— 森鴎外 『かのように』 青空文庫
亡くなつた山路愛山が、ある時何かの宴会で相客からうるさく隠し芸をせがまれて、例の負け嫌ひから、丁度夏座敷だつたので、女中に台所から冷し素麺の桶を持ち込ませて、それをいきなり頭からひつかぶつて、素麺の雨の中から鵞鳥のやうな苦しい声を振絞つて、「これは鯉の滝のぼりでござい。
— 大正十一(一九二二)年 『茶話』 青空文庫
気持の好い手拭地の反物が長くひろげられたのも夏座敷らしい。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
おばあさんの小さい姿が見定められないところへ来ても、街道の俥の上からはまだ夏座敷の縁側と丸く刈り込んだ檜葉の庭木が見えた。
— 宮本百合子 『突堤』 青空文庫
夏座敷の簀戸越しに源五・菊野の痴態を透き見する所などがあつて、立役が時として持つ三枚目の味――鳥目の一角などがそれ――を見せる場などもあつた。
— 折口信夫 『夏芝居』 青空文庫
作例 · 標準
旅館の夏座敷は、風通しが良く、涼しげに設えられていた。
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夏の夜、縁側のある夏座敷で団扇を扇ぎながら、風情を楽しんだ。
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この部屋は夏座敷としても利用でき、夏でも涼しく過ごせます。
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