瘴煙
瘴煙
名詞
標準
文例 · 用例
いつさいの信仰は廢つて、瘴煙は地に低く立ち迷つてゐる。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
夜は聴く猿の孤樹に啼いて遠きを、暁には看る潮の上って瘴煙の斜なるを。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
然らば此のバアトンの訳本は、欧洲の天地を遠く離れて、而も瘴煙蛮雨の中で生れたもので、恰もタイチに赴いたゴオガンの絵と好対照である。
— 芥川龍之介 『リチヤアド・バアトン訳「一千一夜物語」に就いて』 青空文庫
長浜から直行にして十余里の道、この間に、なんらの瘴煙蛮地はありません。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
僕も実際初対面の時には、突兀たる氏の風采の中に、未醒山人と名乗るよりも、寧ろ未醒蛮民と号しそうな辺方|瘴煙の気を感じたものである。
— 芥川龍之介 『小杉未醒氏』 青空文庫
其が重き瞼の下に、眠れりとも見えず、覚めたりとも見えぬ眼の色は、瘴煙毒霧を吐く大沢の水の面にも譬ふべきか。
— 永井荷風 『夜あるき』 青空文庫