濯ぎ
すすぎ
名詞
標準
文例 · 用例
(ともかく御免を、) 高縁へ腰を蹂って、爪尖下りに草鞋の足を、左の膝へ凭せ掛けると、目敏く貴婦人が気を着けて、(ああ、お濯ぎ遊ばしましょうね。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
(ちょいと濯ぎましょう。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
」 あたふた飛んで来て柄杓を取れば、両手を出して濯ぎながら、跪坐る秀をじっと御覧じ、「秀。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
おどおどして入っていった植源の家の、丁度お八つ時分の茶の室では、隠居や子息と一緒に、鶴さんもお茶を飲みながら話込んでいたが、お島が手土産の菓子の折を、裏の方に濯ぎものをしているおゆうに示せて、そこで暫く立話をしている間に、鶴さんも例の折鞄を持って、そこを立とうとしておゆうに声をかけに来た。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
もう出て口をお濯ぎなさい。
— 鈴木三重吉 『赤い鳥』 青空文庫
冷吉は口を濯ぎに伴れて行かれるのに、となりの部屋の前を通るのが氣恥かしいやうな心持がした。
— 鈴木三重吉 『赤い鳥』 青空文庫
小女が濯ぎを汲んで來る。
— 長塚節 『旅の日記』 青空文庫
砂漠のやうな乾いた空をあちこちと飛び歩いて、かうして高く揚る事の出來た心掛を、獨りで得意がつてゐると、ちやうどその足もとの久米の里では、小河の河つ縁で濯ぎ物をしてゐる女がある。
— 薄田泣菫 『久米の仙人』 青空文庫