香雲
こううん
名詞
標準
文例 · 用例
香炎、香華、香雲、香海。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
そが中に突立ちたる奈美女は七宝の大香炉に白檀の一塊を投じ、香雲|縷々として立迷ふ中より吾をかへりみて、かや/\と笑ひつゝ、此の部屋の楽しみ、わかり給ひしかと云ふ。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
先ず髪毛には香雲木という木に咲いた花の油を注ぎ、白百合の露で顔を洗いました。
— 夢野久作 『白髪小僧』 青空文庫
見渡す上流は、幾重の香雲、ふりかへる下流も亦幾重の香雲。
— 大町桂月 『小金井の櫻』 青空文庫
人はその香雲堆裏をたどりゆく。
— 大町桂月 『小金井の櫻』 青空文庫
これが旅畫師であらう、成るほど妙な男ぢやわいと思つて、老僧は何氣なく、畫家の香雲さんといふお方にお目にかゝりたい。
— 上司小劍 『ごりがん』 青空文庫
わしはかういふものぢやがと、古帳面の端を切つて拵へて來た「願念寺住職橋川隆法」と、大きく書いた手札を渡すと、「文人畫の香雲はわしぢやが、まア上りたまへ。
— 上司小劍 『ごりがん』 青空文庫
それでも佛間になつてゐる一番奧には、破れながらも、疊が滿足に敷かれてゐて、經机の上に筆や紙もあり、傍には香雲と名乘る其の旅畫師の描いた山水だの蘭だのが、取り散らかつてゐた。
— 上司小劍 『ごりがん』 青空文庫