空き袋
あきぶくろ
名詞
標準
文例 · 用例
年ちゃんは、紅茶の空きかんの中へ、ガラスのおはじきを入れていましたし、正ちゃんは、ほうじ茶の紙の空き袋の中へ、ガラスのおはじきも入れていれば、また、秋の暮れにお宮の大きな木の下で拾った、銀杏の実も入れていました。
— 小川未明 『友だちどうし』 青空文庫
生や死や愛や信仰について語った哲学はいくらでもあるが、道端に落ちている十円玉について、インスタントラーメンの空き袋について、ゴミ箱の中のカオスについて語った哲学はない。
— 太田健一 『脳細胞日記』 青空文庫
荒繩で括った麻の空袋を肩から引っ懸けた犬殺しの後姿が見えなくなってから太十は番小屋へもどった。
— 長塚節 『太十と其犬』 青空文庫
いつもながら、場末の唐物屋にメリヤスの肌着が積まれ、大賣出しの立札がたてられ、三等郵便局の貯金口に人垣が作られ、南京豆の空袋が、風にふかれて露地を走る風景の中では、街角に傾いたまゝ突立つた瓦斯燈よりも、人間は慌しいと思ふことだ。
— 竹久夢二 『砂がき』 青空文庫
そうしたとき母は従順に父の衣類を壁の釘にかけたりなんかしていたが、袂の中からお菓子の空袋や蜜柑の皮などを取出して、恨めしそうに眺めながらいうのだった。
— 金子ふみ子 『父』 青空文庫
そうしたとき母は従順に父の衣類を壁の釘に掛けたりなんかしていたが、袂の中からお菓子の空袋や蜜柑の皮などを取り出して、恨めしそうに眺めながら言うのだった。
— ――獄中手記―― 『何が私をこうさせたか』 青空文庫
何をやっているのか見当もつかないのだけれど、桜あらいこの空袋が沢山部屋へ持ちこまれる事がある。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
何をやっているのか見当もつかないのだが、桜あらいこの空袋が沢山持ちこまれる事がある。
— 林芙美子 『放浪記(初出)』 青空文庫