薬研
やげん
名詞
標準
druggist's mortar
文例 · 用例
夜になると、こつちの岸と、向うの岸の半腹に、燈火が螢火のやうについて、神寂びた寺院の廻廊か、大森林の秘奥にともす法燈でもあるかのやうに、ひつそり閑となつて、その間に薬研のやうな天竜の大峡谷があるともおもはれない。
— 小島烏水 『天竜川』 青空文庫
この谷もと薬研のごとき形したりきとぞ。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
泥濘が薬研のやうに乾いたんぢやあ、大変だ。
— 泉鏡太郎 『続銀鼎』 青空文庫
……と云うお医師も、築地、本郷、駿河台は本場だけれども、薬研堀の朝湯に行って、二合半引掛けてから脈を取ったんだそうだから、医師の方では場違いだね。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
……声を出して泣きながら、声も涸れて、やっと薬研堀の裏長屋の姉の内の台所口へ着いた、と思うと感覚が無い。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
……今日は、薬研堀を通ってこっちへ。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 しかも、打睡るばかりの双の瞼は、細く長く、たちまち薬研のようになって、一点の黒き瞳が恍惚と流れた。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
空の星も晃々として、二人の顔も冴々と、古橋を渡りかけて、何心なく、薬研の底のような、この横流の細滝に続く谷川の方を見ると、岸から映るのではなく、川瀬に提灯が一つ映った。
— 泉鏡花 『怨霊借用』 青空文庫
作例 · 標準
江戸時代の薬剤師が、薬研を使って漢方薬の原料を細かく砕いている。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
この薬研は代々我が家に伝わる骨董品で、今でも現役で使える。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
薬研の溝に沿って重い車輪を前後に動かし、スパイスを粉末状にする。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
ウィキペディア
薬研 とは、薬材(生薬など)などを碾(ひ)いて粉末化したり、磨り潰して汁を作ったりするための伝統的器具である(その日本語名を代表する一つ)。舟形の溝を彫った碾(字義は石臼)の「薬研(やげん)」と、軸の付いた車輪状の碾き具「薬研車(やげんぐるま)」からなる。
出典: 薬研 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0