御恩顧
ごおんこ
名詞
標準
文例 · 用例
死亡承諾書、私|儀永々|御恩顧の次第に有之候儘、御都合により、何時にても死亡|仕るべく候年月日フランドン畜舎内、ヨークシャイヤ、フランドン農学校長|殿 とこれだけのことだがね、」校長はもう云い出したので、一瀉千里にまくしかけた。
— 宮沢賢治 『フランドン農学校の豚』 青空文庫
朱雀院の御恩顧を受けた人たちとか、六条院に近づいていた人たちとかは今も入道の宮へ時おりの敬意を表しにまいることを怠らないのであった。
— 竹河 『源氏物語』 青空文庫
最早某が心に懸かり候事|毫末も無之、ただただ老病にて相果て候が残念に有之、今年今月今日殊に御恩顧を蒙り候松向寺殿の十三回忌を待得候て、遅ればせに御跡を奉慕候。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書(初稿)』 青空文庫
その方どもは、多年の御恩顧を、ありがたいとは思わず、かえって利に狎れて、御領主を欺き奉り、かような嘘を書き上げて、暴利をむさぼりおったな」「……め。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
多年御恩顧の輩を、左様に心許なき者と思し召されてか」 と、声を嚥んだ。
— 第六分冊 『新書太閤記』 青空文庫
すまぬが、一時お宅へお供申し上げて、適当な頃、どこかへお隠しして下さらぬか」「誰ですか、その落人とは」「承知してくれるなら打ち明けるが」「もとよりこの紹巴とて信長公の御恩顧にあずかって参った者。
— 第七分冊 『新書太閤記』 青空文庫
城受取りの寄手をひきうけて、三世の御恩顧に酬ゆる以外に吾々の存念はないのだ。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
義においてはどうあろう』『なぜ』『赤穂藩は、小なりと雖も、常州笠間以来、士を養うことここに三世、御恩顧をうくる者三百余士、この際、おめおめ、城を明け渡して、どう武門の名分の実があがりましょうか』『では、其許までが、籠城をよいとお考えか』『よいとは思わぬ。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫