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給事

きゅうじ
名詞
1
標準
文例 · 用例
給事務所から、屋根板を一束もらって、それを緑屋のおやじ、――それは乾物のかますによく似ていた――に渡し、「こっちでやるはずですが、今日は忙しいから一つ、お頼み申します」と言って、大山は捲上の方の道から丁場に上がって行った。
――生きる為に―― 山谿に生くる人々 青空文庫
当方からお給事をしようと云うんじゃなし、第一欲しいと仰有ったって、差上げるやら、平に御免を被るやら、その辺も分らないのに、人の大切な令嬢を、裸体にして検査するような事を聞くのは、無礼じゃないか。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
帝|乃ち他事を以て溥洽を禁めて、而して給事中胡く建文帝を物色せしむ。
幸田露伴 運命 青空文庫
これはどう見ても弱冠の素封家の、あまやかされすぎた、給事らしい男であった。
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev あいびき 青空文庫
これからは給事なりともして、母親の手足にはならずとも責めて我口だけはとおもう由をも母に告げて相談をしていると、捨る神あれば助る神ありで、文三だけは東京に居る叔父の許へ引取られる事になり、泣の泪で静岡を発足して叔父を便って出京したは明治十一年、文三が十五に成た春の事とか。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
事務に懸けては頗る活溌で、他人の一日分|沢山の事を半日で済ましても平気孫左衛門、難渋そうな顔色もせぬが、大方は見せかけの勉強|態、小使給事などを叱散らして済まして置く。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
この牛店は開店してまだ間もないと見えて見掛けは至極よかッたが、裏へ這入ッて見ると大違い、尤も客も相応にあッたが、給事の婢が不慣れなので迷惑く程には手が廻わらず、帳場でも間違えれば出し物も後れる。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
夫から増給事件と将来重く登用すると赤シヤツが云つた話をしたら山嵐はふゝんと鼻から声を出して、それぢや僕を免職する考だなと云つた。
夏目金之助 坊っちやん 青空文庫