心深い
こころふかい
形容詞
標準
文例 · 用例
どうして素足でここへ来たか、平生用心深い子で、縁側から一度も落ちたことも無かったのだから、池の水が少し下がって低かったら、落ち込むようなことも無かったろうにと悔やまれる。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
ケチくさく、用心深い偽善者どもよ。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
けれども、乱暴者の若殿には、式部のこの用心深い処置が気にいらなかった。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
姉と妹が、母親から同じ分量の松毬を与へられ、これでもつて、ごはんとおみおつけを作つて見よと言ひつけられ、ケチで用心深い妹は、松毬を大事にして一個づつ竈にはふり込んで燃やし、おみおつけどころか、ごはんさへ満足に煮ることが出来なかつた。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
用心深い半七は彼が必死の切っ先に空を突かせて、刃物を十手でたたき落した。
— 女行者 『半七捕物帳』 青空文庫
そして用心深いから身辺を用心する為めにあなたを敬遠しちまったのかも知れませんよ。
— 岡本かの子 『鶴は病みき』 青空文庫
リアリズムの用心深い足取りで生活の架け橋を拾い踏み渡りながら、眼は高い蒼空の雲に見惚れようとする。
— ――歪んだポーズ 『時代色』 青空文庫
やっとこらえて、十分用心深い表情のまま、じっと車の方向を見つめていた。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫