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読み捨て

よみすて
名詞
1
標準
文例 · 用例
)これこそ読み捨てられ、見捨てられ、それっきりのもののような気がして、はかなきものを見るもの哉と思うのである。
――当りまえのことを当りまえに語る。 もの思う葦 青空文庫
本は読み捨てられるものではなく、繰り返し立ち戻るべき、心のいしずえでした。
富田倫生 本の未来 青空文庫
妻を詠い子を詠う歌は勿論、四季おりおりの気遣いや職務とか人事、または囚人の身の上を偲ぶ愛情の美しさなど、百三十二ほどのそれらの歌は、読みすすんでゆくに随い私には一句もおろそかに読み捨てることが出来ないものばかりだった。
横光利一 睡蓮 青空文庫
棚曝しになった聖賢の伝記、読み捨てられた物語、獄中の日誌、世に忘れられた詩歌もあれば、酒と女と食物との手引草もある。
島崎藤村 並木 青空文庫
汽車旅をする人たちはどういうものか気が大まかになって新聞や雑誌の類を読み捨てにしていくことがある。
矢田津世子 神楽坂 青空文庫
だが……天井からぶら下ってる電燈、茶箪笥や長火鉢、父の読み捨ての夕刊、それを丹念に読んでる母……昔からその通りで、そしてこれからも永遠に……。
豊島与志雄 童貞 青空文庫
其がかうじて、近世の人の名高い作品や、歌合せなどの読み捨てや、同僚の作物まで、浮ぶまゝにとり入れる様になつた。
後期王朝文学史 女房文学から隠者文学へ 青空文庫
それを思うと、覚えず涙が眼の中にいっぱいになって、幾度も着物を畳み直しているうちに、ふとその袂の中から、読み捨てた一封の手紙が、何か物を言うように綻び出しました。
安房の国の巻 大菩薩峠 青空文庫