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垂乳根

たらちね
名詞
1
標準
mother
文例 · 用例
童と母垂乳根の母の垂乳に、おしすがり泣きし子ゆゑに、いまもなほ我を童とおぼすらむ、ああ我が母は。
北原白秋 観相の秋 青空文庫
天つ日の光もわすれ現身の色に溺れて、酒みづきたづきも知らず、酔ひ疲れ帰りし我を、酒のまばいただくがほど、悲しくもそこなはぬほど、酔うたらば早うやすめと、かき抱き枕あてがひ、衾かけ足をくるみて、裾おさへかろくたたかす、裾おさへかろくたたかす、垂乳根の母を思へば泣かざらめやも。
北原白秋 観相の秋 青空文庫
おくれじと思ひもあへぬ妻わかれ我を残していづち行きけん明日しらぬ老が行方を歎くかなあはれ今年は妻なしにしてえにしありておなじ宿守るきりぎりす影だに見えず声も聞えず今朝は家に見えねばさびし子の為にその垂乳根の母の面影いささめの雲隠れとは思へども見えねばさびし秋のかりがねその喪に籠りけるほど。
與謝野禮嚴 禮嚴法師歌集 青空文庫
垂乳根の母が手放れ斯くばかり術なき事はいまだ為なくに 〔巻十一・二三六八〕 柿本人麿歌集 人麿歌集出。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
垂乳根の母が養ふ蚕の繭隠りこもれる妹を見むよしもがも 〔巻十一・二四九五〕 柿本人麿歌集 同上、人麿歌集出。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
巻十二(二九九一)に、「垂乳根の母が養ふ蚕の繭隠りいぶせくもあるか妹にあはずて」というのがあり、巻十三(三二五八)の長歌に、「たらちねの母が養ふ蚕の、繭隠り気衝きわたり」というのがあるが、やはり此歌の方が旨い。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
垂乳根の母に障らばいたづらに汝も吾も事成るべしや 〔巻十一・二五一七〕 作者不詳 正述心緒。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
やはりこの巻(二五五七)に、「垂乳根の母に申さば君も我も逢ふとはなしに年ぞ経ぬべき」というのもあるが、これも母に話して承諾を得る趣で、これも娘心であるが、「母に障らば」という方が直截でいい。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
作例 · 標準
万葉集には、垂乳根の母を思う歌が多く詠まれている。
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戦場で散った兵士は、故郷の垂乳根の母を思い浮かべた。
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垂乳根の教えは、彼の人生の指針となった。
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