霜葉
しもは
名詞
標準
文例 · 用例
お珊が黙って、此方から差覗いて立ったのは、竜田姫の彳んで、霜葉の錦の谿深く、夕映えたるを望める光景。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
茅萱、野菊、其他種々な雑草が霜葉を垂れる畦道を憶出した。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
丁度其|霜葉の舞ひ落ちる光景を眺め乍ら、廊下の古壁に倚凭つて立つて居るのは、お志保であつた。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
日の光は秋風に送られて、かれ/″\な桜の霜葉をうつくしくして見せる。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
何か用事ありげに呼留めたので、丑松は行かうとして振返つて見ると、霜葉の落ちた柿の樹の下のところで、叔父は声を低くして『他事ぢやねえが、猪子で俺は思出した。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
その裸々とした幹の根元から、芽も籠る枝のわかれ、まだところ/″\に青み残つた力なげの霜葉まで、日につれて地に映る果樹の姿は丑松の足許にあつた。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
枯々とした桑畠に茶褐色に残った霜葉なぞも左右に吹き靡いていた。
— 島崎藤村 『千曲川のスケッチ』 青空文庫
梅、李、桜、欅、銀杏なぞの霜葉は、その一日で悉く落ちた。
— 島崎藤村 『千曲川のスケッチ』 青空文庫