正師
しょうし
名詞
標準
文例 · 用例
賞められた竜之助としては、正師をとって、そうして、厳しくしつけられた形ではないが、父の弾正の遺伝として、こうしなければ音を出せないものとの観念が、知らず識らず出来ているに相違ない。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
その人がずっと私の側へ来て「やあやあ話の様子を聞いて居ったが果たしてそうであった」と大いに悦んで私の手を握られたのが、この間フランスのマルセーユで逝なられた文学士|藤井宣正師である。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
彼はいう、「悲しむべし辺鄙の小邦、仏法未だ弘通せず、正師未だ出世せず、たゞ文言を伝へ名字を誦せしむ。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
正師を得ざれば学ばざるに如かず」(学道用心集五)。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
が、そのころには、建仁寺の正師にも逢わず、また善き友もなかったゆえに、迷って邪念を起こした。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
彼によればこの正師は仏祖直伝の真理を人格的に把握した宋土の諸禅師である。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
長年の修行によって仏となるのを即心是仏でないと考えるごときは、いまだ即心是仏を見ないのである、正師にあわないのである。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
が、道元が一方に論理的表現を許しつつ、他方に師を見ることによって得られる知的直観を力説して、概念の固定を防ぐとともに直観に豊富な概念的内容を賦与するのは、禅宗において特に重んずる以心伝心あるいは正師の印可というごとき主観的事実を哲学的に活かせたというべきであろう。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫