悲母
ひぼ
名詞
標準
文例 · 用例
波木井殿に対面ありしかば大に悦び、今生は実長が身に及ばん程は見つぎ奉るべし、後生をば聖人助け給へと契りし事は、ただ事とも覚えず、偏に慈父悲母波木井殿の身に入りかはり、日蓮をば哀れみ給ふか。
— ――予言僧日蓮―― 『学生と先哲』 青空文庫
なお最近読んだ書物の中に「菅原直之助、独習をもって刺繍に長じたる人にして狩野芳崖の『悲母観音』の繍は原画の傑出せると共に有名なり」とあるけれども、これが何処に蔵されているかは明らかにされて居ない。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
八日 狩野芳崖遺作「悲母観音」を見る。
— 一九一七年(大正六年) 『日記』 青空文庫
仰向いて見あげて居るうちに、芳崖の悲母観音の画を思い出した。
— 一九二三年(大正十二年) 『日記』 青空文庫
田園の一悲母 小閑を楽しむというのは、まだ閑のある人のことである。
— 第四分冊 『新書太閤記』 青空文庫
京伏見|廓細見悲母悲妻 春もここ数日が名残りであろう。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
声なくして静かに佇む悲母の観音は貴方がたの愛した姿であった。
— 柳宗悦 『民藝四十年』 青空文庫
悲母悲心一 滝の音がする――水かさが増すわけでもないが夜は大きく耳へひびく。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫