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櫛箱

くしばこ
名詞
1
標準
comb box
文例 · 用例
「まあお茶も上げないうちに」と云いさして、投げるように櫛を櫛箱に入れたお玉が、見送りに起って出た時には、末造はもう格子戸を開けていた。
森鴎外 青空文庫
源氏が髪の乱れたのを直していると、非常に古くなった鏡台とか、支那出来の櫛箱、掻き上げの箱などを女房が運んで来た。
末摘花 源氏物語 青空文庫
そういう時に成ると、おせんは何をして可いかも解らないような人で、自分の櫛箱の仕末まで夫の手を煩わして、マルを抱きながら、それを見ていたものだ。
島崎藤村 刺繍 青空文庫
二人は何かしきりに話し合っていたが、そのうち叔母は立ち上って押入れから櫛箱を出して来た。
金子ふみ子 青空文庫
浅吉はぼんやりと櫛箱をそこに置いて、炬燵の前にかしこまっていると、お雪は戸棚をあけて行李を取り出し、その中から、あれか、これか、と書物をさがしました。
他生の巻 大菩薩峠 青空文庫
それからまた、ヴィール氏は金貨の財布もあったことを承認しているが、しかし、それは夫人の私室ではなくて、櫛箱の中にあったと言っている。
ヴィール夫人の亡霊 世界怪談名作集 青空文庫
おとなの世界をのぞいて見たばかりのようなお民は、いくらか羞を含みながら、十七の初島田の祝いのおりに妻籠の知人から贈られたという櫛箱なぞをそこへ取り出して来ておまんに見せた。
第一部上 夜明け前 青空文庫
「お仙、ちゃっと髪を結って了わまいかや」とお種は、炉辺へ来て待っている髪結を呼んで、古風な鏡台だの櫛箱だのを新座敷の方へ取出した。
島崎藤村 家(上巻) 青空文庫