転迷
てんめい
名詞
標準
文例 · 用例
我邦でも弘法大師は今に存在して、遍路の行者とまでも云えない世の常の大師まいりをする位の者の間にも時によりて現われて、抜苦与楽転迷開悟の教を垂れて下さるという俗間信仰がある。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
仏教に転迷開悟というはすなわちこれにして、迷とは有限性を示し、悟とは無限性を指すものなり。
— 井上円了 『迷信と宗教』 青空文庫
しかして、その転迷開悟の方法に種々あるがゆえに、したがって多数の宗派を分かつに至る。
— 井上円了 『迷信と宗教』 青空文庫
ひっきょう宗教なるものも道徳と同じくその終局の目的とするところは各個人がおのれの欲するところを他に施すような浄土楽園を地上に造るにあるので、克己復礼を主眼とする孔子の教えも転迷開悟を唱道する仏の教えも、神者愛也と説くキリストの教えもみなこの目的に達するための種々の方便に過ぎぬ。
— 丘浅次郎 『理想的団体生活』 青空文庫
おのが轉迷開悟の緒にせむとするものあり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
さはれ逍遙子は其覺前空の地位に住して、われをば何人もえ倒さじ、わが沒理想(形而上論上無所見)をば誰もえ破らじと誇りて、別におのが望める轉迷開悟の途を示したり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫