黒青
こくせい
名詞
標準
文例 · 用例
黒青い、大うねりのある海には、外には一|艘の船もなかった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
空から続く腕のように、南向きの斜面を抱込んでいた雑木林は、何時の間にか伐払われて、赤黒青、三色の瓦に埋め尽されていた。
— 佐左木俊郎 『都会地図の膨脹』 青空文庫
その缶の胴には、一たん白いエナメルをぬりこみ、そのうえに赤黒青のきれいなインキで外国文字を印刷してあるものだったが、白いエナメルの地はところどころはげていて、これまでにずいぶん手荒くとりあつかわれたことを物語っていた。
— 海野十三 『太平洋魔城』 青空文庫
その後の鏡板には黒青い絵の具で、松の木が一本描いてあるのみだが、この背景(若し背景といふことが出来るならば)ぐらゐ邪魔にならず又多くの曲目とよく調和するものはない。
— 野口米次郎 『能楽論』 青空文庫
五体を見ると、逞しい黒青色の黒光り、腰には虎豹の皮を巻き、その上に夥しい人間の髑髏を結びつけている。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
早く冷やかな、沈んだ黒青い海の底に落ちて行きたい。
— 死線を越えて 『死線を越えて』 青空文庫
しかもそれが黒青く淀んだ、そのくせ恐ろしく光沢のある、深い色合と、不思議にぴったり結びついている。
— 和辻哲郎 『岡倉先生の思い出』 青空文庫