教坊
きょうぼう
名詞
標準
文例 · 用例
しかも古風に髪を櫛で後ろへ押えた額のかっこうなどを見ると、内教坊(宮中の神前奉仕の女房が音楽の練習をしている所)や内侍所ではこんなかっこうをした者がいると思えて源氏はおかしかった。
— 末摘花 『源氏物語』 青空文庫
座敷の飾りになるという物はどれもこれも買い入れて、秘蔵娘の居間はそれらでいっぱいで、わずかに目をすきから出して外がうかがえるくらいにも手道具を並べ立て、琴や琵琶の稽古をさせるために、御所の内教坊辺の楽師を迎えて師匠にさせていた。
— 東屋 『源氏物語』 青空文庫
それとも、教坊の陰気臭さが、奇巌珍石に奥まられた、岩狭の闇がそれであろうか。
— 小栗虫太郎 『紅毛傾城』 青空文庫
端艇の選手にて、常に墨陀に遊びけるが、その粹な角帽姿は、墨陀の教坊を動かしぬ。
— 大町桂月 『月の隅田川』 青空文庫
教坊の楽と脂粉の香のまじる夏の夕に会へるものかな 昭和八年八月高野山の夏期大学の講義を終へた夫妻は大阪へ出て然る人の饗宴に列した、南地宗右衛門町の富田屋らしい。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
教坊の楽は芸者楽の支那名である。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
しかもその夕たるや教坊楽とべにおしろいの交錯したいとも賑やかな華やかな夕で、我が上ながら急激な変化に驚く。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
教坊十万の妓は多しと雖も、真に娼婦型の女人を求むれば、恐らくは甚だ多からざる可し。
— 芥川龍之介 『娼婦美と冒険』 青空文庫