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袖幕

そでまく
名詞
1
標準
文例 · 用例
寄せたその片褄が、ずるりと前下りに、前刻のままで、小袖幕の綻びから一重桜が――芝居の花道の路之助のは、ただこれよりも緋が燃えた――誘う風にこぼるる風情。
泉鏡花 白花の朝顔 青空文庫
「花見の宴に小袖幕を張り、酒を燗するに伽羅を焚き」と、その頃の文献に記されてあるが、それは全くその通りであった。
国枝史郎 紅白縮緬組 青空文庫
行列は極めて小人数であったが、さて山内へ着いて見ると、小袖幕で囲い設けた立派な観桜席が出来ていて、赤毛氈に重詰の数々、華やかな茵、蒔絵の曲禄、酒を燗する場所もあり、女中若侍美々しく装い、お待ち受けして居た所から、ワッと一時に陽気になった。
国枝史郎 善悪両面鼠小僧 青空文庫
姫は余りの可笑しさに、座にもいられず供一人連れ、小袖幕をヒラリと刎ね、囲いから外へ忍び出た。
国枝史郎 善悪両面鼠小僧 青空文庫
二、三気に入りの家来を従え、蹣跚として次から次へと小袖幕をのぞいて歩くという平民ぶり、最早四十二、三という年輩でしょうが、のっぺりと脂切った殿様振りで、ぐっと砕けて変り色羽二重の羽織、茶献上の帯を覗かせて、扇面で半分隠した顔がトロンとなると、他愛、他愛、足が兎もすれば千鳥になります。
第八夜 蛇使いの娘 新奇談クラブ 青空文庫
「あれは何者じゃ」 とある小袖幕を覗いた北見之守、振り返って後から従う者に囁きます。
第八夜 蛇使いの娘 新奇談クラブ 青空文庫
近う参れと申せ、酌を取らしょう」 ツイと小袖幕を揚げさせて入ると、毛氈の上、お金の側へむんずと坐り込んでしまいました。
第八夜 蛇使いの娘 新奇談クラブ 青空文庫
何んな事をしても女を奪い還せ「これ南条ッ、何をするッ」「あまりと言えば無法ッ」「馬鹿ッ、血迷ったか、人に見られたら、貴公の破滅だぞ」 半狂乱となった南条左馬之助が、危うく小袖幕の中へ飛び込もうとするところを、日頃仲の好い朋輩が二、三人駆け付けて、危ういところで擁き止めました。
第八夜 蛇使いの娘 新奇談クラブ 青空文庫