垣間
かきま
名詞
標準
gap (in a fence or hedge)
文例 · 用例
自分がここにいるということを人に知られずに、垣間から舞台をのぞき見するのはこころよいものである。
— 黒島傳治 『田舎から東京を見る』 青空文庫
そんなときでもなければ垣間見ることを許されなかった、聖なる時刻の有様であった。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
こゝに晝も暗き樹立の中に、ソと人の氣勢するを垣間見れば、石の鳥居に階子かけて、輪飾掛くる少き一人、落葉掻く翁二人あり。
— 泉鏡太郎 『城の石垣』 青空文庫
仏蘭西扉の傍には、何のつもりか舶来の酒の壜や前菜料理の材料なぞと一緒に大きくふくらましたゴム風船の沢山浮んでいる見世飾があって、それらの透き間から垣間見ている者もいた。
— 渡辺温 『少女』 青空文庫
檜垣の主人が持ち帰ったのは主にフランス近代の巨匠のものだったが、本能を許し、官能を許し、享受を許し、肉情さえ許したもののあることは東洋の躾と道徳の間から僅にそれ等を垣間見させられていたものに取っては驚きの外無かった。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
――やあ、緑青色の夥間に恥じよ、染殿の御后を垣間見た、天狗が通力を失って、羽の折れた鵄となって都大路にふたふたと羽搏ったごとく……慌しい遁げ方して、通用門から、どたりと廻る。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
野の花は少けれど、よし蘆垣の垣間見を咎むるもののなきが嬉し。
— 泉鏡花 『松翠深く蒼浪遙けき逗子より』 青空文庫
無限を垣間見、夢みて、それと比較するために、自分をも事物をも本氣にしない……。
— 中島敦 『かめれおん日記』 青空文庫
作例 · 標準
生け垣の垣間から、隣の庭で遊ぶ子供たちの声が聞こえてきた。
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塀の垣間から、ちらりと猫が覗いているのが見えた。
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台風で壊れた垣間から、強い風が吹き込んできた。
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