留魂
るこん
名詞
標準
文例 · 用例
兎も角もこうして松陰先生大の崇拝で、留魂録は暗誦していた程だったが、しかし此松陰崇拝が、不思議な事には、些とも雪江さんを想う邪魔にならなかったから、其時分私の眼中は天下唯松陰先生と雪江さんと有るのみだった。
— 二葉亭四迷 『平凡』 青空文庫
それから、裃紋附の上に荒縄をかけられ、刑場へ引かれたが、この時、松陰は同囚等への告別のつもりで、自筆の「留魂録」の冒頭の歌、身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし大和魂 と、次の辞世の詩、「吾今為国死。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
木下川藥師の留魂祠、勝海舟が西郷南洲の爲にたてたり。
— 大町桂月 『東京の近郊』 青空文庫
これ南洲留魂祠にして、勝海舟の建てし所に係る。
— 大町桂月 『南洲留魂祠』 青空文庫
其詩の終りに、『願留魂魄護皇城』の句あり。
— 大町桂月 『南洲留魂祠』 青空文庫
留魂碑をこゝにたてし時は、恰も旱魃に際せしが、石碑運び出さるゝに及びて大に雨ふり、建つる時にも大にふりて、農民雀躍して相喜べり、雲中に龍の姿さへあらはれたりなど、書きしるす。
— 大町桂月 『南洲留魂祠』 青空文庫
留魂祠、小なりといへども、澆季の世の中に、まことの朋友の道を語るもの也。
— 大町桂月 『南洲留魂祠』 青空文庫
髑髏の精があって、天上に逃れようとしたわけでもなければ、匹夫下郎に辱められたことを憤ったわけでもなく、まして匹夫下郎もなお自分の留魂を慰めてくれる殊勝さを感激したわけでもなく、飛ぶには飛ぶべき理由あって飛んだには相違ないが、あえて自力更生の力で飛んだわけではない。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫