熬
熬
名詞
標準
文例 · 用例
そして富岡先生は常に猛烈に常に富岡氏を圧服するに慣れている、その結果として富岡氏が希望し承認し或は飛びつきたい程に望んでいることでも、あの執拗れた焦熬している富岡先生の御機嫌に少しでも触ろうものなら直ぐ一撃のもとに破壊されて了う。
— 国木田独歩 『富岡先生』 青空文庫
磯野は切り揚げそうにしては、また想い出したように銚子をいいつけいいつけしたが、お庄が傍ではらはらするほど、気が熬れて話がこじくれて来た。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
」 主人は可笑しさを熬へるといふやうな様子で八にかう云つた。
— 森鴎外 『金貨』 青空文庫
此想像は博士の胸に針で刺すやうな痛を覚えさせるので、博士は声を出して、「えゝ、糞を」とでも云ひたいやうであるのを、ぢつと熬へる。
— 森鴎外 『魔睡』 青空文庫
博士は又声を出して「えゝ、糞を」と云ひたいやうであるのを、ぢつと熬へた。
— 森鴎外 『魔睡』 青空文庫
じいじい蝉がまたそこらの木立に熬りつき出した。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
さうして豆熬を噛つては夜更まで噺をすることもあつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
熬りつける樣な油蝉の聲が彼等の心を撼がしては鼻のつまつたやうなみん/\蝉の聲が其の心を溶かさうとする。
— 長塚節 『土』 青空文庫