屡次
るじ
名詞
標準
文例 · 用例
私はモデルに寝たポーズをさせる時|屡次その足の裏を見るが、どうも黒く汚れていたりして海士の形相を打ち消してくれそうなものに出会わない、その上太い足の指がお互いに開いていて、さもこの十四、五貫の重量は私が支えているのだといった表情をしているのが情ない。
— 小出楢重 『楢重雑筆』 青空文庫
文団治は高座から、俺の話が今時の客に解るものかといって、客と屡次喧嘩をして、話を途中でやめて引下った事を私は覚えているので、この入墨を見た時、なるほどと思った。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
それから、明治の始めには、ある毛唐があの亀を売ってくれといって来たという話も屡次していた。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
けだし「般若波羅蜜多」という事は、屡次申し上げたごとく、彼岸へ渡るべき智慧の意味であり、同時にそれは迷いのこの岸から、悟りの彼岸へ渡った、仏のもっている智慧であります。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
都の夏を懼れて暑を山海の地に避くる人々の、かえって喧噪と雑沓と没趣味とに苦しめられて、しかもそれらに対して高価な支払をなしたを嘆つこと、吾儕の屡次耳にするところで、旁徒なる懼れに遠かれる都にも、夏にかかる逸楽のあるをお知らせしておきたい。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
されば創傷唇のあれに寒べに附けたるを見る如く、夏の手料理にこの色ざしを好み、手足の爪に丑べにをさすこと、今も年よりの心する家の子供には、屡次これを見ることである。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
で、この風俗は、江戸芸者にばかりではなく、一般に行われたことは、その頃の浮世絵なり、絵本草双紙の類に屡次見るところだ。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
第一の不事舅姑と云ふことは、支那の結婚は屡次述べました通り妻を娶ると云ふことは、舅姑なる老いたる父母を養ふ爲めにするので、舅姑の扶養と云ふことが婚姻の目的の一つになつて居ります。
— 桑原隲藏 『支那の古代法律』 青空文庫