俯き加減
うつむきかげん
副詞
標準
facing slightly downward
文例 · 用例
彼は、顔を一層赤くしながら、俯き加減に、じっと畳の上を、見詰めて居たようだったが、その眸は湿んで居るようにさえ、雄吉には思われた。
— 菊池寛 『神の如く弱し』 青空文庫
そのとき、警部が改札口の扉を押し開けて出てきて、犯人が現れる――大柄の粗野な感じの男で、顔は俯き加減にしており、両の手は背中で縛られている。
— AT A RAILWAY STATION 『停車場にて』 青空文庫
1 古ぼけた大きな折鞄を小脇にかかえて、やや俯き加減に、物静かな足どりをはこんでゆく紳士がある。
— 海野十三 『国際殺人団の崩壊』 青空文庫
雨の日でも同じ場所で同じ手仕事をつづけてゐたが、その俯き加減の面長な顔には、黒い立派な口鬚もあり、ちよつと、トーマスマンに似てゐた。
— 原民喜 『小さな村』 青空文庫
」と、うつむきかげんに歩いてゐた鳥右ヱ門は顔をあげて、しもべの指さす方を見ました。
— 新美南吉 『鳥右ヱ門諸国をめぐる』 青空文庫
それを聞くと、事務長はまだそこにいたかと、葉子はわれにもなくはっとなって、思わず着かえかけた着物の衣紋に左手をかけたまま、うつむきかげんになって横目をつかいながら耳をそばだてた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
あなたお手紙でも上げたのね」「えゝ、……くださいましたから」「どんなお手紙を」 愛子は少しうつむきかげんに黙ってしまった、こういう態度を取った時の愛子のしぶとさを葉子はよく知っていた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
新しい先生は行田のお方で、中学のほうを勉強していらしって、よくおできになる先生でございますから、皆さんもよく言うことを聞いて勉強するようにしなければなりません」 校長のわきに立って、少しうつむきかげんに、顔を赤くしている新しい先生は、なんとなく困ったような恥ずかしそうな様子に生徒には見えた。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
作例 · 標準
例句