花野
はなの
名詞
標準
field full of flowers
文例 · 用例
二荒の山の裾野にあかねさす紫匂ふ花あやめかも櫻草の花によく似る紫の花めでつゝも名を知らずけり花あやめしみ咲きにほふ紫の花野を來れば物思もなし紫の雲ゐる野べに朝遊び夕遊びます二荒の神湯の滝を見、湯本に遊びて帰る。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
近ごろ見た書物に、蜜蜂が花野の中で、つぼみと、咲いた花とを識別するのは、彼らにものの形状を弁別する能力のあるためだということが書いてあった。
— 寺田寅彦 『破片』 青空文庫
あるいは麦畑の一端、野原のままで残り、尾花野菊が風に吹かれている。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
朝夕の空澄み、水清く、霧は薄く胡粉を染め、露は濃く藍を溶く、白群青の絹の花野原に、小さき天女遊べり。
— 泉鏡太郎 『五月より』 青空文庫
……失禮ながら、缺摺鉢の松葉牡丹、蜜柑箱のコスモスもありさうだが、やがて夏も半ば、秋をかけて、手桶、盥、俎、柄杓の柄にも朝顏の蔓など掛けて、家々の後姿は、花野の帶を白露に織るであらう。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
庭はさながら花野也。
— 泉鏡太郎 『婦人十一題』 青空文庫
最初|腕調べとして御覧に入れまするは、露に蝶の狂いを象りまして、(花野の曙)。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
清らかな衣を着、新に梳って、花に露の点滴る装して、馬に騎した姿は、かの国の花野の丈を、錦の山の懐に抽く……歩行より、車より、駕籠に乗ったより、一層|鮮麗なものだと思う。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
作例 · 標準
広大な花野に寝転がり、青い空と白い雲を眺めるのは至福のひとときだった。
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丘一面に広がる花野は、まるで自然が描いた壮大な絵画のようだった。
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「うわー、一面の花野だ!すごい!」
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ウィキペディア
『花野』 は、日本の洋画家黒田清輝が1907年(明治40年)から1915年(大正4年)にかけて描いた絵画。黒田の生涯における後半期に試みられたほぼ唯一の大作とされ、彼のすべての作品の中でも最大規模の大きさをもつ。未完成の作品。1910年(明治43年)、下絵が白馬会展の第13回展に出展された。カンヴァスに油彩。縦126.5センチメートル、横181.2センチメートル。東京国立博物館に所蔵されている。目録番号はKU-a079。画家の岡田三郎助が1917年(大正6年)に製作した『花野』(佐賀県立美術館所蔵)は、同名の異なる絵画作品である。1925年(大正14年)に審美書院より刊行された和田英作編『黒田清輝作品全集』では『春野』となっている。
出典: 花野 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0