寓目
ぐうもく
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
fastening one's eyes upon
文例 · 用例
予未だ寓目せずと雖も、蓋し藻鑑の道を説く也。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
一体わたくしの表紙画は多くは庭の草木の寓目の写生であるから、其|地のいろはいつも茶いろである。
— 木下杢太郎 『本の装釘』 青空文庫
この書は古い「武鑑」類と江戸図との目録で、著者は自己の寓目した本と、買い得て蔵していた本とを挙げている。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
わたくしは嘗て渋江氏板成斎正楷の急就篇を寓目したが、今其書が手許に無いから、跋文を引くことを得ない。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
」是は浜野氏の曾て寓目する所である。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
此書は世間に多く存せぬらしく、わたくしは未だ寓目しない。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
近頃、大正十四年九月の『宗教研究』に、常盤大定博士が、石佛寺を青龍寺の舊蹟とする説を否定されたとか仄聞したが、不幸にして未だ寓目の機を得ぬ。
— 桑原隲蔵 『大師の入唐』 青空文庫
わが最初の寓目の感は如何、われは唯|前山の麓に沿うて急駛奔跳せる一道の大溪と傍に起伏出沒する數箇の溪石とを認めしに過ぎざりしと雖も、しかもその鏘々として金石を鳴らすが如き音は、久しく山水に渇したるわが心を誘うて、思はず我をして手を拍つて快哉を叫ばしめぬ。
— 田山花袋 『秋の岐蘇路』 青空文庫