奥伝
おくでん
名詞
標準
(admission to the) secrets of a discipline
文例 · 用例
二十年、三十年と研究練磨してきた天然理心流の奥伝よりも鋭く人を倒す弾丸――小さい円い丸――それが、百姓兵の、芋侍にもたれて、三日、五日稽古すると、こうして、近藤が、この木の蔭にいても、何うする事も――手も足も出無いように――(馬鹿らしい) と、思ったが、同時に、恐怖に似たものと、絶望とを感じた。
— 直木三十五 『近藤勇と科学』 青空文庫
かの関の孫六の水火両様の奥伝というのは。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
と、ここに、この一|狭紙に、水火両様の奥伝をしたためて、のち此紙を真ん中から二つに裂き、水の条からはじまる最初の一片と、火のくだりを説いてある後半の別紙と、おのおの別に切り離して世に残すことにしたのだった。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
「それでは申上げます、が、御存じの通り小堀家は御先祖|遠江守政一様以来茶道の御家柄で、東照公様御封の遠州流奥伝の秘書と、江州小室一万二千石|永代安堵の御墨付を、二つの家宝といたしております」「…………」 物々しい前置き、平次もガラッ八も固唾を呑みました。
— 御落胤殺し 『銭形平次捕物控』 青空文庫
流儀の奥伝秘事、悉くお前に伝えた上は、あの『禁制の秘曲』も還してもよいようなものだが、なんといっても、まだ三十前の若さでは、万一の過ちがあっては取返しがつかぬ。
— 禁制の賦 『銭形平次捕物控』 青空文庫
それが一ばんの秘伝や奥伝じゃ。
— 壺井栄 『暦』 青空文庫
一日もはやく奥伝をもらって、一人前の武芸者として立ちたい」 というのが偽りのない願望であるから、師の人格というものには二義的なものしか感じていないし求めてもいないのである。
— 小野忠明 『剣の四君子』 青空文庫
御用とお急ぎでなくば、この男の前口上はさておき、次の芸当の奥伝までも、ゆっくりごらんあっていただきたいもの。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
作例 · 標準
例句