羞
はじ
名詞
標準
文例 · 用例
そうなると恐ろしいもので、物を云うにも思い切った言は云えなくなる、羞かしくなる、極りが悪くなる、皆例の卵の作用から起ることであろう。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
私は何の理由もなく、急に足がすくむやうな羞しさと、一人で居るきまりの悪さを感じたので、歩調を早めながら、わざと彼等の方を見ないやうにし、特別にまた肩を怒らして追ひぬけた。
— 萩原朔太郎 『夏帽子』 青空文庫
さういふ古い自分の詩を、今更ら今日の詩壇に向つて公表するのは、ふしぎに理由のない羞恥と腹立たしさとを感ずるものである。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
をとめは戀戀の羞をふくんであけぼののやうに爽快な 別製の皿を運んでくる仕組私はゆつたりとふほふくを取つておむれつ ふらいの類を喰べた。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
をとめは戀戀の羞をふくんであけぼののやうに爽快な 別製の皿を運んでくる仕組私はゆつたりとふほくを取つておむれつ ふらいの類を喰べた空には白い雲がうかんでたいそう閑雅な食慾である。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
遠く市街を離れたところでだれも訪づれてくるひとさへなく林間の かくされた 追憶の 夢の中の珈琲店であるをとめは戀戀の羞をふくんであけぼののやうに爽快な 別製の皿を運んでくる仕組私はゆつたりとふほふくを取つておむれつ ふらいの類を喰べた。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
二人は熱心に、笑ひながら、羞かみながら嬉しさうに囁いて居た。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
あの小心で、羞かみやで、いつもストイツクに感情を隱す男が、その時顏色を變へて烈しく言つた。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫