撥形
ばちがた
名詞
標準
文例 · 用例
――殺人に用いられた兇器は撥形鶴嘴です!
— 大阪圭吉 『気狂い機関車』 青空文庫
」 二 私は、喬介の推理に今更の様に唖然としながらも、鶴嘴の一方の刃先が長さ約五|糎程の撥形に開いた兇器――よく汽車の窓から見た、線路工夫の振上げているあの逞しい撥形鶴嘴を、アリアリと眼の中に思い浮べた。
— 大阪圭吉 『気狂い機関車』 青空文庫
「しかし、たとえそれらの鉱片が傷口に着いていたからとて、何もそれだけで、兇器を、あの切通で使った撥形鶴嘴であると推定されるのは、少し早計ではないでしょうか?
— 大阪圭吉 『気狂い機関車』 青空文庫
喬介は司法主任へ向って、「とにかく、撥形鶴嘴と言えばそんな小さな品ではないんですから、一応その辺を探して見て下さい。
— 大阪圭吉 『気狂い機関車』 青空文庫
ええ、無論その撥形の刃先に着いていた砂は、顕微鏡検査に依って、貴方の仰有った通り、あちらの屍体の傷口の砂と完全に一致しました。
— 大阪圭吉 『気狂い機関車』 青空文庫
尚、柄も調査しましたが、加害者は手袋を用いたらしく、指紋はなかったです」 喬介はそれに頷きながら撥形鶴嘴を受取ると、自身で詳しく調べ始めた。
— 大阪圭吉 『気狂い機関車』 青空文庫
」「さあ――※」「当駅の撥形鶴嘴で、柄の端にこんな穴の開いた奴があったのですか?
— 大阪圭吉 『気狂い機関車』 青空文庫
例えば、この第一の屍体に於ける奇妙な硬直姿勢、撥形鶴嘴の柄先の不可解な穴、そして、タンク機関車73号の急激なスタート、尚又、二つの屍体に与えられた兇器がそれぞれに異ったものである事、等々です。
— 大阪圭吉 『気狂い機関車』 青空文庫