頗
頗
名詞
標準
文例 · 用例
家庭という問題に就いて、一つの標準を立て得るであろうか、其の標準が立たないとした時には、何を目安に家庭問題を説くか、頗る取り留めなき事と云わねばならぬ。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
宗教界などを見ても、自己の修養をば丸で後廻しとして、社会を救うの、人を教うるのと、頗る熱心にやって居る輩もあるようなれど、自分に人格がなく修養がなくて、どうして社会を教うることが出来るであろうか、己が社会の厄介者でありながら、社会を指導するもないものだ。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
一農民の資格に安じて居る両親は頗る平気なものである。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
そういうては失敬であるが、今度の歌は従来の石原君の歌とは頗る趣を異にして居る。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
何の疚しい所のない僕は頗る不平で、「お母さん、そりゃ余り御無理です。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
私|極りわるくてしょうがないわ」「よしとそれじゃ僕が先になろう」 僕は頗る勇気を鼓し殊に平気な風を装うて門を這入った。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
此の事は何時か又具体的に詳しく書かうと思つてゐるが、斯の如き飜訳界の偏頗ぶりも、向後追々改まつてゆくとすれば、今度はおふくろのオムレツの番となることだらうと思ふのである。
— 中原中也 『よもやまの話』 青空文庫
そして、かういふ誤解といふものが、長い間には、どのやうな所まで増大してゆくものか、それは頗る大した増大なのだが、かゝる誤解は、特殊的なものであるので、世間一般からは、顧みらるべくもなく、Bはそれを、創作にでもするよりほか、致し方もないことだ。
— 中原中也 『心理的と個性的』 青空文庫