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征馬

せいば
名詞
1
標準
文例 · 用例
茲に於てか、征馬鉄蹄に世界を蹂躪し、大名長く青史を照せる一世の雄傑アレキサンドルも、遂に一語の発すべきなく、静かに跼いて彼の垢づける手を把り、慇懃に其無礼を謝したりと云ふ。
石川啄木 閑天地 青空文庫
徒らに高く構えて人情自然の美を忘るる者はかえってその性情の卑しきを示すに過ぎない、「征馬不前人不語、金州城外立斜陽」の句ありていよいよ乃木将軍の人格が仰がれるのである。
西田幾多郎 我が子の死 青空文庫
(高陽池送朱二)翻向此中牧征馬征馬分飛日漸斜。
河上肇 閑人詩話 青空文庫
近くは乃木大将の「征馬|前まず人語らず、金州城外斜陽に立つ」の詩にしても、その時の感情はかうした形式以外に適当な表現はなく、支那人が見て感心しようが、感心すまいが、そんなことは最初から少しも問題にならぬのである。
河上肇 閑人詩話 青空文庫
肩の荷を卸して枕とししばし木の下にやすらひて松をあるじと頼めば心地たゞうと/\となりて行人征馬の響もかすかに聞ゆる頃一しきりの夕立松をもれて顔を打つにあへなく夢を驚かされて荒物担ぎながら一散にかけ去りける。
正岡子規 かけはしの記 青空文庫
斯様に申しましたゞけでは、お分りになりますまいけれども、愚僧は暫く朝鮮国におりまして異郷の空の雨風に曝され、明け暮れ征馬のいなゝきと鉄炮の音ばかりを聞き馴れておりましたのが、久方ぶりに都へ上って参りまして、ついぞ生れてから見たこともない奥御殿の、きらびやかなお座敷へ出仕したのでござります。
第二盲目物語 聞書抄 青空文庫
征馬遠く東国から離れて、長い年月、戦場で艱苦を共にし合っているうちには、どうしても、 ――死なば共に。
吉川英治 源頼朝 青空文庫
ひとたび、信長の征馬行くところは、秋霜の軍令と、罰殺の徹底に、草木も枯れる概がある。
第七分冊 新書太閤記 青空文庫