譎
譎
名詞
標準
文例 · 用例
その困難な戰ひを乘り切る爲には、卑屈も、醜陋も、追從も、奸譎も、時としては不道徳的な破廉恥さへも、あへて爲さなければならないのである。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
こはこの風説早くも聞えて、赤髯奴の譎計に憤激せる草刈|夥間が、三郎の吉左右を待つ間、示威運動を行うなり。
— 泉鏡花 『金時計』 青空文庫
ところが徐はあまり廷珸が狡譎なのを悪んで、横を向いてしまった。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
譎道を言ふ者は、乃ち戦国縦横の説なり。
— 幸田露伴 『囲碁雑考』 青空文庫
ところが徐はあまり延珸が狡譎なのを悪んで、横を向いて了つた。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
世故に慣れきって、落ち付き払った中年の婦人が、心の底の動揺に刺激されてたくらみ出すと見える残虐な譎計は、年若い二人の急所をそろそろとうかがいよって、腸も通れと突き刺してくる。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
当惑した野獣のようで、同時に何所か奸譎い大きな眼が太い眉の下でぎろぎろと光っていた。
— 有島武郎 『カインの末裔』 青空文庫
十一月××日 南海の島から島へと渡り歩く白人行商人の中には、極く稀に(勿論、大部分は我利我利の奸譎な商人ばかりだが)次の二つの型の人間を見出すことがある。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫