逆様
さかさま
名詞
標準
文例 · 用例
舞ひすましたる男の、真只中をひやうつと射て、舟底へ真逆様に射倒す。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
それから四、五日はまるで忘れていたが、ある朝子供等の学校へ行った留守に庭へ下りた何かのついでに、思い出して覗いてみると、蜂は前日と同じように、躯を逆様に巣の下側に取り付いて仕事をしていた。
— 寺田寅彦 『小さな出来事』 青空文庫
荒川が急に逆様に流れ出したと思ったら、コースがいつの間にか百八十度廻転して帰り路になっていた。
— 寺田寅彦 『ゴルフ随行記』 青空文庫
そこで内証で涙を払うのかと偲うと、肩に一揺り、ゆすぶりをくれるや否や、切立の崖の下は、剣を植えた巌の底へ、真逆様。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
戸を開けると一所に、中に真俯向けになっていた、穢い婆が、何とも云いようのない顔を上げて、じろりと見た、その白髪というものが一通りではない、銀の針金のようなのが、薄を一束刈ったように、ざらざらと逆様に立った。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
)と言いさま、お前、疫病神の襟首を取って、坂の下へずでんどうと逆様に投げ飛ばした、可い心持じゃないか。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
山中に朽木の独木橋を渡り、アワヤ谷底へ真逆様にならんとせしは某君。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
先頭に立った吾輩は振り顧見ると、三番目に乗って来た未醒画伯、馬から真逆様に落ちて、大地へ四ツん這いになっておる。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫