幻辞.com

後脚

うしろあし
名詞
1
標準
文例 · 用例
一度などは、張り渡してある針金が一本であるため、ドーン、ドーンと鳴って、狂った馬が後脚を蹴上げるように、押えを撥ね上げ、撥ね上げするうち、最後の一本の穴の押えが、「確かに少しずった」と思ったがもうそうなっては、どんな豪勇の者も、「ハッパと度胸較べ」はできないのだ。
――生きる為に―― 山谿に生くる人々 青空文庫
そして右の後脚の附根と思う辺を刺したように見えた。
寺田寅彦 蜂が団子をこしらえる話 青空文庫
それから前脚を一本ずつずっと前へ伸ばして頭を低く仰向いて大きな欠伸をして、尻尾をSの字に曲げてから全身を前脚の方へ移動しのめらせてそうして後脚を後方へのばした。
寺田寅彦 初冬の日記から 青空文庫
犬は自分の汚さは自覚していないが、しかし癢いことは感ずるから後脚でしきりにぼりぼり首の周りを掻いていた。
寺田寅彦 二科展院展急行瞥見記 青空文庫
後脚で飛ぶごとく、嬉しそうに、刎ねつつ飛込んで、腰を掛けても、その、ぴょん、が留まないではずんでいた。
泉鏡花 燈明之巻 青空文庫
天守の礎の土を後脚で踏んで、前脚を上へ挙げて、高く棟を抱くやうに懸けたと思ふと、一階目の廻廊めいた板敷へ、ぬい、と上つて其の外周囲をぐるりと歩行いた。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
猫は、後脚に礫をあてられて、血を流しながら竈の傍につくなんでいた。
黒島伝治 「紋」 青空文庫
後脚の礫があたったところは、禿になった。
黒島伝治 「紋」 青空文庫