懐柔策
かいじゅうさく
名詞
標準
measure to win someone over to one's side
文例 · 用例
葉子の母が暴力では及ばないのを悟って、すかしつなだめつ、良人までを道具につかったり、木部の尊信する牧師を方便にしたりして、あらん限りの知力をしぼった懐柔策も、なんのかいもなく、冷静な思慮深い作戦計画を根気よく続ければ続けるほど、葉子は木部を後ろにかばいながら、健気にもか弱い女の手一つで戦った。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
札薩克は幾人もあつて、本は酋長であるが、それに王、公、台吉の封爵を授けたのは清朝の懐柔策の一つであつた。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
入道清盛から、さらに比叡衆徒の懐柔策がとられ、通りがかりの手土産として、近江米二万石、北国の織延絹三千疋を山門へ寄せた。
— 第四巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
それでもいかぬのでその次には懐柔策を採った。
— 柳田国男 『家の話』 青空文庫
英政府の懐柔策 しかしながら英領インド政府はチベット国に対してはなんらの策も施さないかというに、充分に注意を加えてチベット国民の感情を恢復し、よい感情を持たすようにつとめて居ることは、今日ダージリン及びシッキム等の地方においての実際を見ても明らかに判るです。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
しかし、その慰撫も、懐柔策も、所詮は何の効もなかった。
— 吉川英治 『黒田如水』 青空文庫
「つい、懐柔策などにひかれ、日をうつしておる間には、必然、万策も効なき最悪の破局にいたるやも知れぬ。
— 吉川英治 『黒田如水』 青空文庫
その現れは、満鉄線の包囲路線となり、万宝山事件となり、あるいは憑庸大学の排日教育となり、排日、抗日は、むしろ張作霖時代よりもいっそう濃厚となり、日に日にその気勢を高めるに至り、秦少将らの企図した学良懐柔策はまったく画餅に帰したのであった。
— 河本大作 『私が張作霖を殺した』 青空文庫